完全を崩す

待たせたな!ブログの時間だ。

 

今日の前提となる話

 

 

keeley-dm.hatenadiary.jp

 

 

デッキタイプに完全な形があるとすればまずはそこを目指すのが新たなデッキタイプ開発の目標である。

 

それには大賛成。

 

そもそもビルダーの本質とは誰も触っていない、もしくはまだ未開発の分野を開発し、完全な構築を打ち立てることである。

 

完全な構築とは何か?それはデッキが持てるポテンシャルを最大限に生かせるような構築だろう。

 

皆さんはこんな言葉を聞いたことがあるだろうか?

 

赤侵はというデッキは28枚、残りの枠は自由枠。

 

この言葉は赤侵というデッキの最大ポテンシャルの動きを安定させた枚数が4×7であることを示した言葉だ。

 

まあこの話は置いておいて、デッキに完成系があるとしたらなぜプレイヤーは同じデッッキでも違う構築でトーナメントに挑むのであろうか?

 

それはデッキのポテンシャルをフルに引き出したとしても勝てないデッキが往々にして存在するからだ。

 

例えばベアフガンと刃鬼という二つのデッキがあったとする。おそらくこの二つのデッキがポテンシャルを全て引き出せるフルパワー構築だったとするとそれぞれアーキタイプはオールインとビッグマナになるだろう。

 

この二つのアーキタイプが純粋にぶつかりあった場合は必ずオールインが勝つ。それはビッグマナに比べてオールインのほうが速度で勝っているからだ。

 

では刃鬼がベアフガンに勝つためにはどうすればいいのか?それはメタカードを増やすしかない。

(ここでのメタカードは相手の勝ち筋に何かしらの影響を与えるカード全般の意味で置いている。例えばブーストカードは相手の勝ち筋に絡まないのでメタカードにはならないが防御札やハンデスは相手のキルターンを遅らせることができるため広義の意味でメタカードとする。)

 

例えばエターナルトラップなどがその最たる例でこれをサイクリカなどを利用して連打することで相手のキルターンを遅らせてこちらのキルターンと逆転させることができる。

 

しかしフルパワー刃鬼であるはずなら相手の動きを妨げるカードは一切入れるべきではないのだ。その枠は刃鬼の4枚目であり、ダイハードの4枚目であるべきなのだ。

 

まあこれは言い過ぎな例であるが必ずしもデッキパワーが最大のデッキが勝率の一番いいデッキではないことはわかっていただけたと思う。

 

デッキは自分の勝ち筋と相手に合わせたメタカードの折り合いでできている。減らしてもわずかな勝率にしか響かない枠をメタカードに譲り勝率を上げているのだ。

 

 

ベストなデッキの形とは何か?

 

ある人は自分の勝ち筋を限りなく安定させた上で、余った枠に環境に合わせたメタカードを積み込んでいくのがベストだという。(強いカードは4理論)

 

一方で、ある人はメタを読みきった上で特定の相手への勝率をデッキパワー(全体勝率)を落としてもいいからあげる方が良いとする。(メタ読み至上主義)

 

これはどちらも自分の理論に則って構築を行っているため一概にどっちが正しいということはできない。

 

私の場合はどちらかに決めるのはよろしくないと思っている。考えてみればこの二つは極論なのだ。

 

そのため必要にどちらかに偏った意見を聞いてると首をかしげることが多い。

 

本当は、この二つのバランスを見て一番勝率が高くなる点、腹落ちできる点を探すことこそが必要なのだ。

 

どちらも大切な視点であり、常に両者の考えを持っていることは大切なのだがどちらか一方の考え方に偏り、むやみやたらと互いのことを批判するのは思考停止に他ならないのではないかと考える。

 

 

ここまででデッキパワーの高さと勝率が直結しないことはなんとなくわかってくれたと思う。

 

ここから傾向について考察していこう。

 

そもそもメタカードを全く積まないで勝てるデッキはあるのだろうか?

 

この答えはNOだ。なぜなら最速最強のデッキであったとしても同じ速度域のミラーを考えた時に必ず返し札を取る必要があるからだ。

 

どんなデッキでもメタカードは必要になってくる。ではメタカードを多く積む必要のあるデッキと、メタカードを最低限しか積まなくていいデッキの差はなんであろうか?

 

それはデッキポテンシャルの差であると思う。デッキ本来の動きで環境上のデッキに対して勝てる対面が多いデッキはあまりメタカードを積む必要はない。

 

例えば、オールイン系統であるバイク、ベアフガン。強力なワンショットギミックを搭載するドギラゴン剣などはあまり相手を妨害しなくても最速で自分の勝ち筋を押し付ければ勝てる対面が多い。

 

逆に刃鬼やアナカラーなどフィニッシュが遅かったり弱かったりする、つまりデッキパワーの低いデッキは大量のメタカードを駆使して戦う必要がある。

 

強いプレイヤーは総じてデッキパワーの高いデッキを使う傾向がある。そのため現状では強いカードは4という理論がまかり通っているが、これは概ね正しい。

 

しかし弱いデッキを使うときはメタを読みきって自分の強みを押し付けるのではなく相手をコントロールする必要がある。

 

この傾向を頭に入れてデッキのメタ枠をどの程度確保するかを考えていかなければならない。大切なのはこの両方の考え方はスイッチのようにオンオフどっちかという視点ではなくボリュームのつまみのように上げ下げして丁度いい点を見つけることだ。

 

個人的には強いカードは4という言葉は好きだ。この言葉にはメタカードに頼らずまずは自分の勝ち筋をしっかりと把握してどの対面にはデッキの勝ち筋だけで勝てるのかという教訓がある。同時に自分の強みを、勝ち筋を減らすなという警鐘を鳴らしている。

 

しかしこの考えのみで止まってしまうのは思考停止以外の何物でもなく、時にプレイヤーとしての成長を妨げてしまう可能性がある。

 

”強いカードは4”

 

この言葉の次に

 

”その後に完全を崩す”

 

という言葉が来ることを忘れないでほしい。

 

以上