第3回へるぺたCS決勝 カバレージ
TGHT(青黒ハンデス) vs taisei(白単ヘブンズ)
春一番が到来したこの日、第3回へるぺたCSが開催されたここ筑前煮ハウスもまた大荒れに荒れていた。
環境二大巨頭と思われたジョーカーズ、モルトNEXTが早々に脱落。ベスト8が全て違うデッキタイプという群雄割拠の状況の中、青黒ハンデスの申し子TIGHTは幾多の死線を潜り抜け決勝へと進出。特に準決勝の対ドロマー戦はマッチゲームにもつれ込む激闘となったが、残り時間数秒で放った《ヴォルグ・サンダー》が相手の山札を削りきり、勝利。
デッキの性質上常に鍔迫り合いとなりミスの許されない中、脅威の集中力で勝ち上がってきたことは称賛すべきだろう。
一方相対するtaiseiもまた、バスターとの際どい試合を勝ちきり、決勝進出。
白単ヘブンズというデッキもまた難しい。女の子の扱いくらい難しい。これを使いこなすtaiseiは相当の手練なのだろう。
卓に着いた両者はTwitterでそれぞれを煽り合い、互いのここまでの健闘を称え合う。
ルールは明快。1本先取のデスマッチ。勝ったほうが強い。
やがてヘッドジャッジ東條(デュエマ引退中)の開始の合図で、試合が始まった。
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先攻 TIGHT
是が非でも後手が欲しいTIGHT。
「グーとチョキぶつけたくね?」
0ターン目からtaiseiに揺さぶりを掛けていく。
「ドン(TIGHTの愛称)はこえーよ」
ここは軽くいなしたtaiseiだが、じゃんけんに負けたいのは両者とも同じ。
やがて運命を賭けたじゃんけんが始まり、7手に及ぶ激戦の末、taiseiが見事敗北。
じゃんけんで勝利してしまったTIGHT。悔しそうに初手を見ると《アクア・ベララー》をチャージし、エンド。taiseiも初手に《ミラクル・ミラダンテ》をチャージし、ターンを返す。
TIGHTの3ターン目、マナチャージから《コアクアンのおつかい》をプレイ。しかし捲った3枚は《エナジー・ライト》《エナジー・ライト》《ファンタズム・クラッチ》というもの。手札も増やせず2枚のドロソが落ちたTIGHTを見て、taiseiは何の躊躇いもなく「しぇい!」とガッツポーズを決める。
動きを大きく制限されたTIGHTに対して、taiseiは悠々とチャージエンドを繰り返す。 5ターン目、TIGHTは悩みながらもノーチャージで《特攻人形ジェニー》をプレイ。
だがTIGHTの受難は続く。
ここで抜いてしまったのはなんと《提督の精霊龍ボンソワール》という最悪なもの。さらにボンソワールからボンソワールを回収されるのを見ると、
「いいんすか」
と一言。
taiseiは今度は無言のドヤ顔でコレに応ずる。
TIGHTは6ターン目にようやく二枚目のおつかいを引くが、taiseiの準備は万全。
返しのターン、満を持して《ヘブンズ・ゲート》をプレイ。ボンソワール、そして《歴戦の精霊龍カイザルバーラ》が天より舞い降りる。歴戦のドラゴンは《龍覇セイントローズ》を呼び出し、、《真聖教会エンドレス・ヘブン》を建設。
既に盤上にいたボンソワールは攻撃を開始。盾を1枚破るとターンエンド。条件を満たしたエンドレスヘブンが龍解、《真・天命王ネバーエンド》が姿を現し、一部からクスクス笑いが発生する。
さて、TIGHTである。
もっとも、このネバーエンドを退かす手段は残されていない。
自らの二枚のハンドを見るTIGHT。
タッチ、タッチ、リバイヴ、リバイヴ、ベララー。
……。
「撤収かね」
TIGHTは速やかに場を片付け始めた。
TIGHT 0-1 taisei
taisei、強力ドラグハートの力で見事勝利!
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見事優勝を飾ったtaisei。
優勝インタビューに答え、ファンに手を振り、割れんばかりの拍手に応ずる。
だが、これでは終わらなかった。
するすると近付く東條(デュエマ引退中)。
その東條(デュエマ引退中)の手に握られた看板には「ド ッ キ リ」の文字。
日付を見ると、4月1日。
そう、今日はエイプリルフールなのである。
エイプリルフールなのである。
かくして断末魔とともにドッキリ看板と2ショットを決めたtaiseiであるが、その話はまた来年へ持ち越すとしよう。
Writter:レイモン・ド・ユーイ